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ケーススタディ

生活能力を上げる

以前、古民家再生事業に参加していることを書いた。築100年以上たった古民家を、もとの部材を再利用しながら必要最低限の新しい素材を使い、素人だけで日常的に使える環境に再生し、そこで小さな生活を試みるという企てである。『スローライフ』を実践するための一歩でもある。スローライフは単にスピード社会を否定するのではなく、無駄がなく質の高い生活を実現するための生活能力を養うためのものである。
先日、久しぶりに古民家再生事業に参加し、当初からの計画でありながら着手できなかった畑作りを手伝った。最低限の食料は自給自足する。畑で収穫したものを料理し季節の味を楽しむ。食材を廃棄せず余ったものは保存食にし、最終的には畑の肥やしとして循環させてゆくということを目指している。畑作りといっても、作物が育ちやすい土壌に変えるため、土を掘り返してそこに灰をまき埋めるという単純な作業である。流れる汗と筋肉痛もスローライフの恩恵だと思う。

今年も新しい年度が始まり1か月ほどになるが、この時期は新年度に依頼された新しい仕事が落ち着いてくる時期でもある。 年度ごとに新しい仕事を委託され、前年度から継続している他の仕事もいくつか掛け持ちでやるという仕事スタイルも5年目になる。今年度は売上を上げるよりもコストを下げる方に力を入れようと決めた。私の場合365日日雇い状態なので、仕事がない日は当然休日となり収入がなくなる。昨年度まではとにかく毎日収入を上げるための仕事を入れようとしていたが、今年度は収入を上げることよりも“無駄を省いた生活に変える”というコストダウンの考えを取り入れることにした。そのため料理に力を入れている。加工食品を買わず、季節の食材を安く手に入れ全て自分で料理をするということを始めた。生活を維持安定させるためにひたすら収入を上げることも間違いではないが、その選択こそが最も正しいというような風潮に少しでも反抗したいという気持ちが大いにある。

仕事力を向上させることだけが変化の激しい社会を生き抜く手段ではない。無駄を省き質の高い生活を維持するための生活能力を向上させることも変化の時代を生き抜くためには重要なことだと思っている。

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