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ケーススタディ

情報活用はキャリア形成の第一歩

 昨年秋から、約半年にわたる女性向けのキャリア形成支援講座に関わっている。この講座の特徴は、自分自身の力で必要な情報を集め分析し、ディスカッションし個人のキャリアプランを作成するというもの。情報活用をキャリア形成に活かすというコンセプトである。

毎回、キーワードを設定し、そのキーワードに沿って情報を収集・分析し、自分の課題をクリアにしていくという作業は、思いのほか大変だったようだ。自分の夢ややりたいことがわからないからこそ、この講座に参加しているのであって、最初に出てきたキャリア目標は、漠然として雲をつかむようなものも少なくなかった。キャリアについてしっかり考えるという時間も余裕もないし、そういう話題を友達と真剣に語り合うという機会も少ないのだから当然といえば当然。
30数名のそれぞれのキャリア目標を聞いていくと、Do・Have・Beの3タイプにわけられる。Doの人は、「起業する」「地域でサロンを作りたい」「国際協力をしたい」といった「したいこと」「すること」に着目している。Haveの人は「資格を取る」「マーケティングの知識を得る」など、何かを手に入れることが目標になっている。そして、Beの人。「楽しい」「充実」「わくわく」がキーワード。自分の価値観やスタイルが何より大切で、自分らしさへのこだわりが強い。まずは、そんな自分の関心や興味を語るところから講座はスタートした。

夢を夢として語っている間は楽しい。実現しなくてもワクワクした気持ちになれる。しかし、キャリアを作るということは、夢を現実のものとする作業だ。学んだことを5つのキーワードに落とし込み、そのキーワードにそって必要な情報を自分で集め、目標を書き換えていく。そして、毎回講師の厳しい突っ込みとメンバー間の率直な質問や意見のやり取りが続く。「なぜそれがしたいの?」「何のために?」「根拠は?」「もっと具体的に考えて」。
自分と向き合い、能力やスキルや価値観といった自分の資源を客観的に見つめ、現実とのギャップを知る。そのギャップを埋めるために、必要な情報を集め、スキルや知識、経験を身につけ、行動していく。その繰り返しが、自分の望むキャリアを手に入れることにつながっていく。この作業は、そう簡単なことではないし、自分と真正面から向き合うことは自分の弱さや能力のなさを知ることにもなり、時には痛みを伴うこともある。けれどそれを乗り越えると、キャリア目標が明確になり、そのためにするべきことが見えてくる。

中間発表では、自分なりのキャリア目標を見つけ、それを実現するためのプランを力強く発表する女性たちの姿があった。発表の時のある講座生の言葉が忘れられない。 「今回、真剣に自分がどうなりたいか見つめ直すことができました。そして、目標がないとキーワードが見つからない意味がよく理解できました。少しづつ方向が固まるごとにキーワードが見つかり、情報収集ができ、行動がわかり、動くことで次の情報検索のキーワードが見えてきました。動くことで、人との出会いがあり、力を貸してくれる人も現れました。今まで、動き方がわからず、頭で考え、行動が止まっていたと思います。この講座のお陰で、受身の参加ではなく、身体で感じて覚え、行動する勇気がさらに出てきました。」
情報はキャリア形成に大きな力を与えてくれるのだ。

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