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ケーススタディ

-現場の仕事-

 『現場』という言い方は、昔は建築や土木の工事現場など肉体労働のイメージが強かったが、今は“最前線の仕事の場”という意味で使われる事が多くなった。現場はあらゆる業種にとって、消費者・利用者・使用者からのフィードバックが得られる最も重要な情報収集の場である。

現在、某大学で『キャリア・デザインB』という授業を担当している。コミュニケーションについての理解を深め、社会で求められるコミュニケーション・スキルを身につけるための様々なワークを行なっている。先日その授業の中でゲスト・スピーカーをお招きした。実際に社会で活躍されている人の話を直に聴き、感じたことを話し合ったり、自分の将来を考える機会になればということで、忙しい中を無理して来ていただいた。
神戸に本社があるアパレルメーカーの販売専門の子会社で採用を担当されていて、“販売の最前線”にも長く居られた方だった。人と接する仕事に長く携わってきただけに、自然に人を惹きつける魅力(オーラ)を持っておられた。

お話を聴かせていただいた中で一番強く感じ事は、『やっぱり会社を支えているのは現場で働く人達なんだなー』ということであった。ここでは、ショップの販売員の方が接客の中で直接聴いた情報(『このニットなら他にどんな色が欲しいか?』『今日は七分袖のモノを探している』というような生情報)をもとに、次に発注(生産)する商品が決定される。しかも2週間から4週間でその商品が全てのショップに供給される仕組みになっているらしい。お客様が『欲しい』と感じた商品をリアルタイムに作って売るというこの単純明快な構造が実現できていることは凄いことだが、それも“現場からの情報”があればこそ機能するのである。

販売を含め、現場の仕事は休みも少なく条件も良いとはいえない。就職活動をする学生にも不人気な職種だ。しかし、どんな会社に就職しても最初は現場をやらされる。学生たちがやりたがる商品企画や広報・広告といった仕事も現場を知らずに出来る仕事ではない。また、現場の仕事は自分の成長をリアルに感じる事が出来る仕事でもある。特に販売の仕事などは、コミュニケーション力を磨くには最良の仕事である。
ゲストの話を聴いた学生たちが、一人でも多く『現場の仕事の素晴しさ』を感じてくれれば、忙しい中を来てくれたゲストの『現場の苦労』も報われるのだが。

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